研究概要 |
この実験では、1)実際の人間がハタヨガのポ-ズをしているスライドを見せることによる自己効力感知覚への影響を調べること、2)実験で測定される精神生理学的変数間の相関を調べること、3)変数内の性差を調べることを目的とした。被験者は学生60名(男14名、女46名)であった。 従属変数は,自己効力感とリラクセーションの度合い,気分,脈拍,血圧であった.手続きとしては、まず全ての被験者に「自分がどれくらいうまくハタヨガのポ-ズをとることができると思うか」という質問紙に回答させた.記入後,統制群(30名)を退室させ,実験群(30名)には実験で行うハタヨガのポ-ズをスライドで見せた.実験では,被験者は15分間仰向けに寝た状態で脈拍と血圧を測り,ハタヨガ実施前の各変数についてベースラインを確保した.次に1時間15分間,教員をモデルとしながら被験者はハタヨガのポ-ズをとった.一連のポ-ズをとる中で,再び横になった姿勢で3回参加者の脈拍と血圧を測定した.ハタヨガ終了後,被験者には自分の感情状態を明らかにするため形容詞を使ったチェックリストと,自分がどれくらいリラックスできたかを測る4段階の尺度,および始めに記入したものと同様だが,ただし「どれくらいうまくできたと思うか」を尋ねる自己効力感尺度に回答させた. その結果,実験群と統制群との間には有意な差は見られなかった.さらに分析を行ったところ,変数間の相関(脈拍,血圧)が見られ,また,全被験者の脈拍にはハタヨガの主効果が見られ,血圧では性差が見られた.さらに,今後の研究への提案をした.
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