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中国西晋の詩と文章における隠逸・遊仙・山水

研究課題

研究課題/領域番号 07801060
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 中国語・中国文学
研究機関鳴門教育大学

研究代表者

佐竹 保子  鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (20170714)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード隠逸 / 遊仙 / 山水 / 自然描写 / 六朝 / 西晋 / 皇甫謐 / 夏候湛
研究概要

1.「隠逸」については、(1)西晋初の隠士皇甫謐の文学で、『荘子』の万物斉同論をいち早く隠逸論に導入した「釈勧論」の出所同帰の説が注目される。これは、1940年代に王瑶氏が提起した六朝期の「精神を超越する」朝隠論の先駆と見られる。また治世下での隠逸の存在を保証することで、一元的ヒエラルヒ-を無化し「士」が皇帝と対等になりうる隘路を確保する。だが西晋の段階では理解され難く、皇甫謐の直後に「釈勧論」と同じ「設論」のジャンルで出処論を展開した夏候湛の「抵疑」は、「設論」を本来の風刺文学に回帰させ、束晢の「玄居釈」は、皇甫謐以前の出処論を蒸し返す。少なくとも「設論」ジャンルで出処同帰の説が朝隠論に発展するのは、東晋初の郭璞、中期の曹毘に至ってからである。以上については「西晋の出処論」('95.10)に述べた。(2)だが同じ「精神を超越させる」朝隠論でも、曹毘や梁の沈約のそれはむしろ下降期の通俗化したものと見られる。またこの流れの中に陶淵明を置けば、彼は盛行し俗論化していく出処同帰論や朝隠論へのアンチテ-ゼと位置付けられる。以上については「1995年度瀬戸内地区六朝史研究会」('96.3.28、於宝塚市)で発表する。
2.遊仙については、『楚辞』以来の遠遊文学の系譜が、西晋の摯虞やかれを批判的に踏襲した束晢に至って様変わりする様相を調査したが、まだ論文化していない。束晢は当時の隠逸文学の担い手の一人でもある。
3.山水については、(1)夏候湛の賦に、細やかで連続的な自然描写が見え、それは当時盛行した賦の競作の中でもっとも新しく優れていることを「夏候湛の修辞」('95.8)で述べた。(2)また「むくげ」の詩的含意が六朝期を通じ「はかなさ」に固定されるが、そこからの脱却を試みたのが夏候湛の賦と謝霊運の詩であり、両者の作風にはある共通性が認められる。以上は、第42回中四国中国学会大会('96.5.25、於広島大学)で発表する予定。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 佐竹保子: "西晋の出處論-皇甫謐に続く夏候湛と束晢の「設論」-" 日本中国学会報. 47. 48-62 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 佐竹保子: "夏候湛の修辞-西晋の貴公子が試みた「新」なる情景描写-" 語文と教育. 4. 1-13 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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