研究課題/領域番号 |
07804049
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
土江 秀和 大阪市立大学, 理学部, 講師 (30137187)
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研究分担者 |
市村 彰男 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (50047396)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高吸水性ポリマー電極 / 凍結電極 / 液-液界面イオン移動 / 促進イオン移動 / 脂質2分子膜 / 4級アンモニウムイオン / クラウンエーテル |
研究概要 |
高吸水性ポリマー電極を凍らせた(氷電極改め)凍結電極を用い、各種4級アンモニウムイオンの凍結電解質溶液中へのイオン移動の研究を詳細に行った。その結果、25℃の水溶液中へのイオン移動に比べた場合、半波電位はすべて負側にシフトし、シフトの大きさは4級アンモニウムイオンの炭素鎖が長くなるに連れて大きくなった。今の場合、半波電位が負にシフトするということは、それらのイオンが凍結電解質中でより不安定になっていることを意味する。したがって炭素鎖が長くなり疎水性が高まるほど、疎水的溶媒和構造の形成が凍結電解質中では困難になっているのではないかと考えられる。また構造破壊型のイオンも凍結電解質中では半波電位が大きく負にシフトし、安定ではないことが分かっている。凍結電極界面でのイオン移動速度も決定したが、それによれば拡散速度の大きい炭素鎖の長い4級アンモニウムイオンほど、わずかではあるがイオン移動速度は増加した。これについては現在検討中である。さらに2種類の4級アンモニウムイオンを含むバイナリー系での測定も進行中で、それぞれのイオンの相互作用に新規な現象が見つかるのではないかと期待できる。 ナフト-15-クラウン-5によるアルカリ金属イオン促進移動の研究も行った。それによると、溶媒抽出法で報告されたように、ナトリウムではナフト-15-クラウン-5が1つ付加し移動するが、カリウムでは2個付加するのが確認された。現在、ECメカニズムを仮定し、拡散定数や錯体の安定度定数の決定を試みている。 ロ-ノイズ電流増幅器を中心とした、応答性の速いコンピュータ制御微小電流測定装置の開発により、脂質2分子膜を介したイオン移動のより詳細な研究が可能となった。いくつかの興味深い結果が得られているが、現在のところ定量的結果を報告するまでには至っていない。
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