研究課題/領域番号 |
07804050
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
岸 浩 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (60042529)
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研究分担者 |
藤井 敏博 国立環境研究所, 化学環境部, 上席研究官 (60109907)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 表面電離 / 超音速分子加速 / 負イオン / ガスクロマトグラフ / 検出器 / 超音波分子加速 |
研究概要 |
高速有機分子の負イオン表面電離の原理に基くガスクロマトグラフの新しい検出器をキヤピラリークロマトグラフ法に応用した結果、アルコール及びフェノールを高感度かつ選択的に検出できた。我々はこの検出器を新NPDと名づけた。従来のNFD(Nitrogen Phosphorus Detector)はアルカリ金属を含むアルミノケイ酸塩のガラスビ-ドを加熱し、その固体表面上でのイオン化を用いている。この検出器の原理は負イオン表面電離であるため、電気陰性化合物のみに応用が限られ、HCN結合のない化合物や大部分の含酸素化合物に対しては感度が低い。最近、1〜20eVの高い運動エネルギーをもつ多種類の有機化合物が固体表面との衝突で効率的にイオン化される(HSI;Hyperthermal Surface Ionization)ということが分かって来た。また、このHSI法は、(1)高感度でかつ選択的な情報量の多いイオン化法である、(2)イオン化効率は分子の並進運動エネルギーについて指数関数的に増大する、(3)イオン化効率は分子の質量及び電子親和力、またはイオン化エネルギーに依存する、(4)検出の選択性は、分子の並進運動エネルギーの制御、固体表面の種類とその温度、検出するイオンの種類(負または正)等によって調整できる、という特徴を持っている。 本報告は負イオンHSIの原理をNPDへ応用した新しいガスクロマトグラフ検出器に関するものである。検出器を試作し各種有機化合物に対する検出特性を検討し、種々のパラメーターがどのように実験結果に影響を及ぼしているのかを明らかにするために、検出機構を検討した。n-ペンタノールとフェノールに対する感度はそれぞれ8.5×10^<-1>及び2.6×10^0Coulomb/gで、直線性が両者とも10^5以上であった。検出下限は1×10^<-13>g/sec付近まで改善された。FID法と比較すると新しい検出器はアルコール及びフェノールに対して約100倍の感度上昇がみられた。
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