研究概要 |
本研究は,平成7年度〜8年度の期間内で実施した.平成8年度に得られた結果を以下に箇条書きする.1.Mn蒸気レーザーの自己終端型動作の緩和を試みた.今年度は,現象を出来るだけ明確に捕らえることができるように,金属Mnと金属Euの組み合わせで実験を行なった.1080℃で動作するMnVLへ,Euの蒸発源の温度を変化させ,Eu蒸気をHeガスと一緒にレーザー管内へ供給した.Eu蒸発源温度360℃の条件で,レーザー出力が1.6倍に増加した.この結果から筆者が提案している自己終端型動作の緩和方法がよく成立しているもの考えられる.2.原子法による^<235>U同位体分離の試験研究を進めているレーザー濃縮技術研究組合の協力で,筆者の提案が高温型銅蒸気レーザーでどの程度の効果があるのかを確かめることができた。ポンピングの増強用にScを添加し,33%の効率向上を得た.結果をAPLに投稿中である.3.アイ・セーフ波長で光りファイバーの低損失波波長域である1.5μmで高効率動作(0.75%)が得られているBa蒸気レーザー(BaVL)について,ポンピングの増強を試みた.現在1.4倍の出力増加を得ている.これらの結果はいずれも.筆者が提案している原子間の第2種衝突にるエネルギー移乗現象がよく成立していることを示している.今後更に,金属蒸気レーザーの動作特性を人為的に大幅に向上させることが可能と考えられる.更に広い視野からより効果的な方法ヲ求めて研究を進展させて行く予定である.
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