研究概要 |
平成7年度は,群論を利用した組合せ論を適用して,機械工学における設計工学と構造解析等の分野の新しい問題解決法を発展させることを目的とした.このため著者の既報である「Polya理論による構造物の形状と境界条件の組合せ数の算出」(日本機械学会論文集に掲載)から拡張発展させるアイデアとして,巡回多項式の利用を考えた.それを機械工学的な問題に対して,アルゴリズムの確立とソフトウェア化への指針を整理した.また構造物の解析部分で用いられる各種の力学解析方法と設計手法についても,研究を行った. 平成8年度は,それらの検討結果の工学的な適用として,複合材料が積層されたFRP積層平板と積層偏平シェルの組合せ数算出問題を扱った.はじめに,Polya理論の巡回多項式の適用のため,その構造解析の部分に使われる解析手法について数編の論文を著した.つぎにこの解析手法をツールとして使い,FRP積層平板と積層偏平シェルの自由振動(固有振動数)の特性に関する組合せ計算の2編の論文をまとめた.これらは推敲中であるが,半年以内に「Combinations of Dynamic Characteristics of Composite Rectangular Plates Under General Boundary Conditions」「The Cominatorics Study in Dynamic Behavior of Laminated Shallow Shells」として海外専門誌に投稿の予定である.なおその原稿についての主要部分は,研究成果報告書にまとめてある.
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