研究概要 |
1。o-, m-, p-ニトロアニン及びニトロフェノールからの分子化合物の単結晶化:p-ニトロアニリンとp-ニトロフェノール、m-ニトロアニリンとm-ニトロフェノールの分子化合物の単結晶化によって、前者からは2:1の分子結晶Aと1:3の分子結晶Bが、後者からは2:1の分子結晶Cが得られた。これらA,B,Cの結晶構造は、それぞれp-ニトロアニリン、p-ニトロフェノール(β形)、m-ニトロアニンの結晶構造と同形であった。またいずれの分子結晶においても、三中心水素結合で各分子が繁がった構造をとっていることが分かった。 2。ニトロアニリン誘導体を用いる混晶の調製とそれらのSHG活性の測定:溶融-再固化法により8種類のメチル化ニトロアニリン、o-, m-, p-ニトロアニン、及びo-, m-, p-ニトロフェノール、計14化合物を用いて、混晶76種を調製し、粉末X線回析、示差熱分析、赤外分光分析による解析とSHG活性測定で分子化合物生成の有無と非線形性質を調べた。その結果、21種の混晶で分子化合物が生成していることが分かった。またSHG不活性な二物質(p-ニトロアニンと2-メチル-6-ニトロアニリン)からSHG活性な混晶が得られる場合も見られた。 3。バニリン及び関連化合物を用いる混晶の調製とSHG活性の測定:バニリン、バニロニトリル、バニリン酸、イソバニリン、イソバニリン酸等を用いて混晶を調製し、分子化合物生成の有無を検討しつつある。現在、バニリン-バニロニトリル、バニリン酸-イソバニリン酸の間で分子化合物の生成が認められている。
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