研究課題/領域番号 |
07806003
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
久保 康隆 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80167387)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 遺伝子クローニング / ACC合成酵素 / ACC酸化酵素 / 高濃度炭酸ガス / PCR法 / エチレン |
研究概要 |
筆者は高濃度炭酸ガスが青果物の種類や発育段階によってエチレン生成を制御する場合と逆に誘導・促進する場合があることを明らかにしてきた。最近、植物のエチレン生成の鍵酵素であるACC合成酵素およびACC酸化酵素の遺伝子がいくつかの植物でクローニングされた結果、PCR法を用いることで比較的簡単に新たな遺伝子断片を任意の植物種からクローニングすることが可能となってきた。本研究では、高濃度炭酸ガスによってエチレン生成が誘導されるキュウリ果実からRNAを抽出し、PCR法を用いて、ACC合成酵素およびACC酸化酵素遺伝子をクローニングした。メロンの遺伝子との塩基配列およびアミノ酸配列のホモロジー解析の結果、新たにクローニングされたACC合成酵素遺伝子は90%以上の高い相同性を示したが、ACC酸化酵素遺伝子は60%と比較的低い相同性を示した。クローニングされた遺伝子を放射ラベルし、ノーザン分析を行った結果、これらの遺伝子は高濃度炭酸ガス処理の他に、傷害やオーキシンによっても誘導されること、さらにエチレン作用阻害剤であるMCPを処理することによっていずれの刺激でも発現が高まり、自己抑制的発現制御を受けていることが明らかになった。 高濃度炭酸ガスでエチレン生成が抑制される傷害カボチャについても、ノーザン分析を行った結果、5%炭酸ガスによって顕著に発現が抑制されるものの、さらに濃度を上昇させると逆に発現が徐々に高まることが明らかになった。 以上の結果から、高濃度炭酸ガス処理は青果物のエチレン生成を律速するACC合成酵素およびACC酸化酵素遺伝子の発現に直接的に作用することが明らかになり、今回クローニングされた遺伝子のアンチセンス型を植物に導入することにより、より炭酸ガス耐性の強化された形質転換植物の作成が可能となることが示唆された。
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