研究課題/領域番号 |
07806013
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
中山 玲子 京都女子大学, 家政学部, 助教授 (60172483)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Yeast / Saccharomyces cerevisiae / Platelet-activating factor(PAF) / Cell growth / Mating factor |
研究概要 |
PAF(血小板活性化因子)は、高等動物において見出された多彩な生理作用を有するリン脂質である。本研究では、酵母におけるPAFの生理的意義を解明する目的で、接合過程に焦点を絞り、以下の実験を行った。 1.酵母細胞の接合過程におけるPAFの産生 (1)a接合型(MATa)細胞をα因子処理、(2)MATaとMATα細胞の混合、の2種類の接合反応系を用いた。経時的に菌体より総脂質を抽出しPAFを精製後、ウサギ洗浄血小板の凝集により測定した。その結果、(1)ではα因子処理60〜90分にPAF産生は最大値を示し、未処理のものの約2倍高くなった。また、(2)においても、1〜2時間後に単独培養時よりも接合によりPAF産生の増大が認められた。(1)(2)両反応系において、カルシウム除去培地やキレート剤を用いて検討した結果、接合前期のPAF産生の増大はCa^<2+>依存的であることが示唆された。 2.接合過程におけるPAF産生機構の解明 上記の実験と並行して(1)、(2)の接合反応の酵母細胞を経時的に採取し、超遠心により細胞分画を行った。ミクロソーム画分の合成酵素アセチルトランスフェラーゼ活性は、(1)ではα因子未処理のものより、(2)では単独培養の細胞のものよりもそれぞれ高くなっていた。また、細胞質の分解酵素活性は接合により低くなることが明らかとなった。以上より、接合過程前期に見られるPAF産生の増大は、修復系合成経路の亢進によることが示唆された。 3.接合過程におけるPAFの生理機能の解明 現在、反応系にPAFやレセプターアンタゴニストを添加し、接合への影響(接合突起の形成、凝集、接合など)を検討中である。接合因子の情報伝達系へのPAFの関与について検討することが、今後の問題である。
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