研究概要 |
泥炭土の初期含水比は591〜861%,土粒子の密度は1.612,初期間隙比12.55,強熱減量値は54.5〜70.0%である。実験供試体は、直径15cm及び高さ15cmの不撹乱供試体を使用した。 せん断に先立ち、KO圧密・膨張を行った。その圧密及び膨張圧力は、過圧密比(OCR)にして、1,2,4,7,10であった。泥炭土は、正規圧密の領域が短く、二次圧密(圧縮)が長いといわれる。そのため、正規圧密時間がKO値や過圧密を受けた場合のせん断強度にかなり影響を受けるものと思われる。そこで、一次圧密と二次圧密まで圧密した場合の影響を考慮したKO値を測定した。 せん断過程においては、せん断速度が、排水せん断では、約0.0028〜0.004(%/min)、非排水せん断では0.053〜0.077(%/min)で行った。その結果次のような結果を得た。(1).正規圧密時のKO値は0.3程度。(2).過圧密時のKO値はOCR2,4,7,10の場合、それぞれ0.372,0.593,0.889,0.843を得た。(3).KOR=KO(OCR)^αの関係は工学的には、泥炭土にも適応できる。 そして、KOR=0.445(OCR)^<0.621>を得た。 ここに、KORは過圧密時のKO値である。KOは正規圧時のKO値、αはKO値に関する膨張指数である。 同様に、新潟県の亀田より採取した泥炭土においてもKO圧密試験を行った。亀田の泥炭土の初期含水比は506.67%、土粒子の密度は、1.764、強熱減量は57.51%である。 (4).正規圧密時のKO値は0.38程度。(5).過圧密時のKOR値は(3)の関係より、KOR=0.351(OCR)^<0.551>の関係を得た。 せん断過程では、正規KO圧密した泥炭土の非排水せん断を行う場合、せん断中に、軸圧縮量が、7〜8%に達すると試料から脱水した間隙水のため、側圧(σ_3)の有効応力がOとなってしまうので、泥炭土における有効応力法によるせん断定数(c、φ)を求める方法は、適用が困難である。従って、設計時における剪断強度の見積方を研究する必要がある。
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