研究概要 |
ニューラルネットワークを援用した家畜飼養管理支援システム構築のための基礎的知見を得ることを目的として,従来から畜産技術者の専門的知識に基づいて予測が行われている肥育豚の仕上り日令に対し,成長予測因子のパターンベクトルをもとに3層のBpニューラルネットワークによる予測を試みる一方、線形重回帰モデルによる予測結果と比較検討を行った。 研究の端緒として,系統,性,生時体重,満8週令までの摂取可消化エネルギーおよび畜舎の舎内平均気温など7つの予測因子を選択してニューラルネットワークおよび線形重回帰モデルによる成長予測シュミレーションを行った結果 1)線形重回帰モデルによる予測は実際の仕上り日令より全体としてやや遅く見積もられるのに対し,ニューラルネットワークモデルによる予測は予測精度=2.5日を中心に予測の偏りはさほど認められなかった。2)おおむね5万回以上の学習をニューラルネットに課すことにより,予測精度=7.5,=12.5 および=17.5日にいおいて線形重回帰モデルによる見掛けの予測正答率を2〜10%程度上回る結果が得られた。3)中間ユニット数をおおむね5個以上に設定することにより,各予測精度において異なるものの線形重回帰モデルによる見掛けの予測正答率を1〜11%程度上回る結果が得られ,肥育豚の仕上がり日令予測における線形重回帰モデルに対するニューラルネットワークモデルの優位性が認められた。
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