研究課題/領域番号 |
07806041
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
太田 光明 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (20134504)
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研究分担者 |
河南 有希子 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80264810)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 視床下部 / 交感神経 / コラーゲン関節炎 / 細胞性免疫 / 液性免疫 / 脾臓 / 胸腺 / ラット |
研究概要 |
慢性関節リウマチの発症に免疫系および神経系の関与が示唆されている。ヒトの慢性関節リウマチのモデルとして広く用いられているコラーゲン関節炎は、コラーゲンタイプII感作が引き金となる液性および細胞性免疫が重要な役割を果たしている。本研究では交感神経のセンターの一つと考えられている視床下部腹内側核(VMH)に焦点を当て、実験モデルとしてラットコラーゲン関節炎を用い、中枢対免疫連関について検討した。 すなわち、VMHの電気的破壊が、(1)コラーゲン関節炎の発症率および炎症の程度、(2)コラーゲンタイプIIに対するin vivoでの液性および細胞性免疫反応、(3)脾臓および胸腺に与える影響を検討した。さらに、感作された動物の視床下部がどのように応答するかをノルエピネフリン(NE)濃度の変化を指標として考察した。その結果、(a)コラーゲン関節炎の発症率は偽手術群に比べ、VMH破壊群で約50%に低下した。(b)抗コラーゲン抗体レベルはVMH破壊群で明らかな減少傾向を示し、特に抗原感作後16日目で有意に低下した。また、遅延型過敏症反応はVMH破壊群で成立率が低い傾向を示した。(c)VMH破壊の処置のみで、脾臓および胸腺重量とも早期に有意な減少を示し、脾臓ではこの効果が持続した。しかし、(d)コラーゲン感作により、VMH破壊ラットの感作13日目で、偽手術群に比べNE総量、濃度ともに高い傾向を示し、交感神経活性の間接的な指標となるHomovanilic acid濃度は有意に高かった。(e)関節炎発症群の視床下部特定領域のNE濃度は、発症前および発症後のいずれも非発症群に比べ明らかに低かった。これらのことから、VMH破壊によるコラーゲン関節炎の発症率の低下の機構として、交感神経活性を介するコラーゲンに対する液性および細胞免疫応答の抑制が考えられ、VMHの機能に関し、従来の仮説とは異なる新知見を得た。
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