研究課題/領域番号 |
07806044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹村 彰夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50183455)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | キトサン / アクリル酸 / コンプレックス / UV / 高含水ゲル / uv |
研究概要 |
本研究の目的は地球上の低利用バイオマスであるキチン,キトサンを複合高分子化し、有用な物性を示す材料に変換することを目的とする。以下に成果を示す。 キトサンと濃度を変化させたアクリル酸モノマー水溶液との溶解性を検討した結果、アクリル酸水溶液濃度によって異なるが、キトサンは最大で固形分濃度に換算すると約20%まで溶解することがわかった。 これらの各種濃度のキトサン/アクリル酸モノマー/水に水溶性の光増感剤(開始剤)を添加して様々な条件で紫外線により重合させた。その結果、非常に硬いものから、軟らかいべたべたしたタッキーなものまで、また非常に膨潤性の高いものからそうでないものまで、様々な物性、形態を有する複合高分子(コンプレックス)を合成することが可能であるとわかった。水に対する膨潤度は、最大のもので約20倍を示した。これは、キチンの脱アセチルを部分的に進めることにより調整されたキトサンを用いれば、見かけの架橋密度を低くできるため、さらに高い膨潤度を示すポリマーの調整が可能であると意味する。Raman分光分析では、カルボニルに由来するピークが、キトサンの含有量が増加すると高波数にシフトした。これはキトサンとアクリル酸の強い相互関係を示す。また膨潤させたフィルムのそれは、高波数側にシフトし、シャープになった。これは膨潤状態では水素結合が切れることを示している。 また、いくつかのコンプレックスについてDSCを測定したところ、ポリアクリル酸のガラス転移点がキトサンの増加とともに系統的に増大するため、ポリアクリル酸/キトサンには相溶性があることがわかった。
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