研究課題/領域番号 |
07807010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
橋口 利雄 東京医科大学, 医学部, 助教授 (90133363)
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研究分担者 |
橋口 美津子 東洋医科大学, 医学部, 助手 (30246277)
橋口 利雄 東京医科大学, 医学部, 助教授 (90133363)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC) / ヒスタミン / 細胞形態変化 / roundness値(真円度) / プロテインカイネースC / チロシンカイネース / 培養ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC) / roundness(真円度) / 培養ヒト血管内皮細胞(HUVEC) / フロテインカイネースC / PMA |
研究概要 |
炎症誘起物質であるヒスタミンを用いて、培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の形態変化を経時的に観察し、アゴニスト誘起形態変化を検討するとともに、そのメカニズムを細胞質Ca^<2+>の変化と細胞骨格の変化に注目し、炎症反応における細胞内情報伝達系の役割を検討した。ヒスタミンは細胞外カルシウム依存的な、HUVECの一過性細胞周辺部収縮を誘起し、その結果細胞間の接着が疎になり間隙が観察された。この細胞収縮に対してH1受容体阻害剤が有効であることから、H1受容体を介した変化であることが判明した。Fura-2法によって、ヒスタミンは一過性増加とそれに続く持続性増加からなる、二相性の細胞質カルシウム増加が認められた。細胞質カルシウム増加についても、H1受容体を介することが明らかになった。これらの結果から、ヒスタミンはH1受容体を介した細胞内カルシウム動員と細胞内情報伝達系の活性化、すなわちPI turn overを促進させさらにプロティンカイネースC(PKC)を活性化することにより、細胞収縮を誘起すると推測される。しかしPMAやDOGを投与して、直接PKCを活性化した結果、DOGはヒスタミン様形態変化を起こしたが、PMAはヒスタミンとは異なる二相性の形態変化を誘起した。PKC阻害剤による実験から、PMAはPKC依存性(第二相)および非依存性(初期相)の異なった二つの調節機構により、形態変化を誘起していることが明らかとなった。さらに第二相はチロシンキナーゼおよび蛋白質合成の阻害によって抑制されることから、細胞骨格形成蛋白質のリン酸化も含めて、PKCおよびその他の情報伝達系とのクロストークが考えられる。細胞の形態変化をデジタル画像処理計測により、形態変化のパラメーターのRoundness値により定量化する方法は、統計学的有意差検定を可能とした。この方法により初めて、形態変化の時間経過を定量的に解析することが可能となった。
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