研究課題/領域番号 |
07807011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
水田 啓介 (1996) 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (10190638)
佐竹 裕孝 (1995) 岐阜大学, 医学部, 講師 (30187158)
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研究分担者 |
川島 卓 岐阜大学, 医学部, 助教授 (90161314)
宮田 英雄 岐阜大学, 医学部, 教授 (90021469)
松波 謙一 岐阜大学, 医学部, 教授 (90027491)
小西 朝隆 岐阜大学, 医学部, 助手 (40225470)
水田 啓介 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (10190638)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 宇宙適応症候群 / 前庭自律反射 / 前庭動眼反射 / リスザル / 二軸回転刺激 |
研究概要 |
平成七〜八年度にかけて宇宙適応症候群の発現機序を前庭自律反射並びに前庭動眼反射の関連性から解明することを試みた。不慣れなリスザルを使用したため、飼育・訓練に手間取り、現時点では十分なデータは得られていない。動物用空間識実験装置は宇宙適応症候群をシミュレーションするのに有効な装置である。今後、更に研究を続行し、以下の項目について検討する。1.ボリビア産リスザルは宇宙適応症候群の動物シミュレーション実験には相応しい動物である。2.地上で宇宙適応症候群を擬似的に発現させる手段として二軸回転刺激(yaw axisとptch axis)が非常に有効な手段である。3.但し、二軸回転刺激に於いて各軸の回転速度並びに位相差がもたらす影響については明確な相違は無さそうなので、等速度・同位相刺激の回転刺激を行う。4.二軸回転刺激をリスザルに与えると、前庭自律反射に依る心拍数の増加、血圧上昇等の生理的な変化が認められ、これらの症状は何れも交感神経活動亢進を示唆する。5.心電図R-R間隔及び血圧変動のスペクトル分析からも交感神経活動亢進の成績が得られる。6.顔面皮膚血流量には減少傾向が観察される。7.二軸回転刺激によって眼振(nystagmus)が特に水平方向に認められるが、垂直方向成分の眼球運動は顕著に観察されない。8.眼振中の総徐相速度を解析し、その時定数の変化並びにゲインの変化を検討し、二軸回転刺激によって従来から云われている前庭動眼反射の神経機構中のvelocity storageやneural integratorに変化が起きている可能性が示唆される。いわゆる適応を意味する結果と考えられる。9.前庭自律系反射と前庭眼反射の間で観られた高い相関関係は、両神経反射が類似した変容機構を持っていることを示唆するだろう。即ち、前庭眼反射のニューラル・ネットワークで起こっているような適応反応が、前庭自律系神経機構のなかでも発生しており、この適応反応が宇宙適応症候群を発症させているものと予測される。本研究課題は科学研究費補助金の交付を受け、宇宙適応症候群の機序解明の努力に大いなる励みとなった。
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