研究課題/領域番号 |
07807021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 福島県立医科大学 (1996) 新潟大学 (1995) |
研究代表者 |
福田 剛明 福島県立医科大学, 医学部・病理, 助教授 (20199235)
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研究分担者 |
岸 賢治 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (30186209)
柿原 敏夫 新潟大学, 医学部・小児科, 助手 (70262433)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 抗癌剤耐性 / 核内因子 / NF-κB / 熱ショック蛋白 / AP-1 / 転写因子 / 核内タンパク / 耐性解除 / 薬剤耐性 / 癌細胞 / P糖蛋白 |
研究概要 |
MDR1をはじめとする抗癌剤耐性に関わる遺伝子の発現調節機構に関する研究は殆ど行われていない。従来p53やrasがMDR1の発現調節を行っているとの報告が成されたが、我々が樹立したヒト白血病細胞株KY-821と抗癌剤耐性亜株においては核内発現で見るかぎりこれらの遺伝子由来蛋白の核内発見は見られない。一方、ヒト白血病細胞株KY-821とその抗癌剤耐性亜株では親株はTNFαで増殖抑制を受けるが、抗癌剤耐性亜株では増殖抑制を受けないことから、TNF-αと関連するNF-κBやAP-1などの核内因子に異常がある可能性が高いと考えてこれらの因子の発現を検討した結果、親株ではTNFαで刺激後にはNF-κBの核内発現が増強するが、耐性株ではNF-κBの発現の増強は見られず、またAP-1についてはいずれにも発現増強はないことが見いだされた。しかし、耐性株の中にもTNFαに感受性があるクローンあることがわかり、これらのクローンではやはりTNFαで刺激後には核内NF-κBの発現増強が見られた。これらの結果から、NF-κBやAP-1は抗癌剤耐性遺伝子の発現調節に関与してるのではないことが示された。また、最近報告されたYB-1についても検討したが、我々の用いた細胞株ではP-glycoproteinが発現されていてもYB-1の発現が見られなかった。一方、シスプラチン耐性卵巣癌株では、熱ショック蛋白(HSP)の発現がその耐性機構に重要であり、HSP70やHSP27は核内にも多量に見いだされ、これらの蛋白がMDR1や耐性に関わる各種酵素の遺伝子発現に何らかの機能を果たしている可能性もある。今後はHSPを含めその他の転写因子の発現を検討もすべきと考える。
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