研究課題/領域番号 |
07807048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
島田 義也 放射線医学総合研究所, 第5研究グループ, 主任研究官 (10201550)
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研究分担者 |
柿沼 志津子 放射線医学総合研究所, 第5研究グループ, 客員研究官
西村 まゆみ 放射線医学総合研究所, 第5研究グループ, 研究員
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 胸腺リンパ腫 / サイトカイン / ストローマ細胞 / 加齢 / 胸腺 / 老化 / マクロファージ / 腫瘍壊死因子 |
研究概要 |
マクロファージ等のストローマ細胞は、感染防御や創傷治癒という成体の恒常性を司る重要な細胞である。近年、これらの細胞の産生する活性酸素やサイトカインは、発がんにも関与していることが注目されている。我々は、加齢に伴いマクロファージのサイトカイン産生能が変化することを明らかにし、老年病の発症におけるマクロファージの関与を指摘してきた。本研究では、発がんの年齢依存性に着目し、若い人の発がん物質に感受性の原因を、マクロファージ等のストローマ細胞の機能の加齢変化と、発がんの標的細胞のサイトカインに対する反応性の加齢変化に着目し、マウス胸腺リンパ腫をモデルとして用いてアプローチし、以下の結果を得た。 1) 若年期(生後4週)と加齢期(30週)の放射線による胸腺リンパ腫の発生率は、それぞれ74%と18%で、若年期マウスは、発がん感受性である。 2) 照射後の回復は、若年期は照射後12週で回復するが、加齢期は、胸腺重量で見る限り、12週たっても対照群の半分にしか回復しない。 3) 照射後、IL1R(リセプター)、IL7Rを持つ細胞が増加するが、IL2Rを持つ細胞の出現は、加齢マウスではみられず、この細胞が少ないことと回復が遅いことが関係していると思われる。 4) さらに、若齢期マウスでは、照射12週後にIL9Rを持つ細胞が現れる。胸腺リンパ腫の90%が、IL9Rを強く発現していることから、このIL9R陽性細胞は前癌細胞である可能性が高い。このIL9R陽性細胞の出現が加齢マウスでは見られない。 以上の結果から、胸腺リンパ腫の発生過程に関与するサイトカインは継時的に変化すること、また特にIL9/IL9Rの発現が発がん感受性と関連性が高いことが明らかとなった。
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