研究課題/領域番号 |
07807050
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
武市 早苗 東海大学, 医学部, 教授 (20035497)
|
研究分担者 |
中嶋 克行 大塚アメリカ, メリーランド オフィス・オブ・クリニカルリサーチ, プロジェクトリーダー
斉藤 剛 東海大学, 医学部, 助手 (30266465)
湯川 修弘 東海大学, 医学部, 講師 (30240154)
大澤 資樹 東海大学, 医学部, 助教授 (90213686)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | Remnant-Like Particles(RLPs) / RLP-TG / RLP-C / Sudden Cardiac Death / Apo-protein E / Coronary atherosclerosis / Hyperlipoproteinemia / Thrombogenesis / Coronary atherosclearosis / Remnant-Like Particle (RLP) / Cardiac Sudden Death / Remnant Hyperlipoproteinemia / Apoprotein phenotyping / Apo E4 |
研究概要 |
夕食後あるいは夜間に心筋梗塞等の心臓性突然死を来す場合の一つの可能性として食後の脂質代謝異常、特に食後高脂血症が考えられ、一方、Hvel,Rらにより食後高脂血症血清中のレムナント・リポ蛋白がLDL,VLDL以上に最も危険性の高い動脈硬化惹起因子として注目されるに至った。我々の経験する心臓性突然死の多くは高脂血症→動脈硬化→血管内皮細胞傷害→血栓症→突然死という病態によることが考えられるが、我々は動脈硬化軽症例の突然死をも数多く経験している。そこで、血清脂質特にRLPの動向を検討することにより、心臓性突然死と高脂血症、血栓との関係を検討し、その予知・予防あるいは法医診断の可能性を探るべく本研究を計画した。 試料としては1994年〜1996年の間、本学法医学教室で解剖された症例中、年齢20〜69歳、死後経過時間12時間の心臓性突然死群93例、対照群(外因性突然死)26例を検討した。結果は(1)TCとTG、RLP-C,RLP-TGが心臓性突然死群において有意に高く、VLDL、LDL、HDLには両群間に有意差はなかった。(2)心臓性突然死群ではTC、TG、RLP-C,RLP-TG値が食後・空腹に関係なく何れも高く、対照群では予想通り食後にTG値のみが大幅に上昇していた。(3)RLP-C異常高値(10mg/dl以上)の60〜70%に進行した動脈硬化があり、一方心臓性突然死の80%にRLP-TG異常高値(100mg/dl以上)がみられたが、対照群では15%であった(4)ROCカーブから冠状動脈硬化にはRLP-Cが、また心臓性突然死にはRLP-TGが最も関与している事が示された。LDL、VLDL、LP(a)と動脈硬化・突然死との関係は否定的な結果であった。(5)アポEレベルは両群に有意差なく、3/3型の出現頻度は対照群80%(日本人平均頻度)であるが、心臓性突然死群では50%と有意に低く代わって4型が高頻度にみられ、genetic脂質代謝異常が示唆された。 以上の如く、RLP値測定が、臨床的には動脈硬化の予知診断・予防に、法医学的には心臓性突然死診断の一助になる可能性が示された。
|