研究課題/領域番号 |
07807069
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青柳 昭彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (10251240)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 心肥大 / 心不全 / 遺伝子導入 / 遺伝子治療 / 筋小胞体 / Ca^<2+>ATPase |
研究概要 |
心筋細胞筋小胞体(SR)のCa^<2+>ATPaseは、拡張期に細胞質のCa^<2+>をSR内に取り込むことにより拡張機能に関与し、またSR内に蓄積されているCa^<2+>量が収縮期にSRから放出されるCa^<2+>量を規定することにより収縮機能に関与している。このSR Ca^<2+>ATPaseは非代償性圧負荷心肥大などの不全心筋において発現レベルが低下することが知られている。我々は、圧負荷心肥大におけるSR C^<2+>ATPase発現調節の研究の一環として、SR Ca^<2+>ATPase geneのpromoter領域を、ラット心筋へのin vivo gene transferにより、検討している。 ラットを麻酔・開胸し、左室心尖にSR Ca^<2+>ATPase promoter領域-1110bpまでとluciferase reporter geneのfusion plasmid 10μgを28gauge針で注入した(in vivo gene transfer)。1週間後に左室心尖部心筋homogenateのluciferase assayを行い、SR Ca^<2+>ATPase promoter activityの指標とした。 In vivo transferされたgeneの発現は1週間後がピークであり、また、promoter領域にdeletionを加えたplasmidによる検討では、SR Ca^<2+>ATPase promoterの-1110bpと-658bpの間にnegative regulatory regionが、-284bpと-72bpの間にpositive regulatory regionの存在が示唆された。DOCA-salt法による代償性圧負荷心肥大のラットでは、-1110bp-Luciferase geneのin vivo transfer後のluciferaseの発現レベルはコントロールのWistarラットと同様であった(75.2%)。一方、実験的上行大動脈狭窄による非代償性圧負荷心肥大(手術中・後の死亡率40%)ではShamコントロール群の36%(p<0.01)の発現レベルにとどまった。in vivo gene transferにより導入されたSR Ca^<2+>ATPase promoterのactivityも圧負荷心肥大のモデルの違いにより、nativeのSR Ca^<2+>ATPaseと同様の調節を受けることがわかった。外来遺伝子の発現がhost個体内でnativeの遺伝子同様の調節を受けるという知見は、将来の遺伝子治療に対して有望な所見である。
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