研究課題/領域番号 |
07807140
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
白石 元 山口大学, 医学部, 助手 (10263766)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 臨床神経電気生理学 / 環指 / 感覚神経活動電位 / しびれ |
研究概要 |
健常成人10手(10人)及び手指の“しびれ"を訴えて当院及び関連病院の整形外科を受診した患者のうち、あきらかに外傷が原因と思われる患者を除いた140手について環指の感覚神経活動電位を測定した。140手の内訳は手根管症候群56手(39人)、肘部管症候群25手(21人)頸椎症20手(15人)、糖尿病性末梢神経障害10手、その他29手(17人)である。健常成人10人を対象とした正常値では正中神経は伝導速度50.5±3.7m/s、振幅8.9±2.9μVであり、尺骨神経は伝導速度54.8±4.3m/s、振幅8.4±3.3μVであった。手根管症候群では2つのパターンを示した。1つのパターンは2つのピークを示す場合である。最初のピークは尺骨神経の容積伝導であり、後のピークは伝導速度が遅延した正中神経の電位である。もう1つのパターンは後のピークが消失している場合で正中神経からの電位が得られない場合である。56手のうち前者が27手、後者が29手であった。肘部管症候群では多くの場合は尺骨神経の電位が得られず、25手のうち20手で電位が消失していた。頸椎症では正中、尺骨神経ともにほぼ正常であった。糖尿病性末梢神経障害では10手のうち正中、尺骨神経ともに消失を示したのが4手、振幅低下を示したのが6手であった。環指の感覚神経活動電位を測定することでその病変が正中神経にあるのか尺骨神経にあるのか、あるいは神経節以下にあるのかそれより中枢にあるのかが同時に判定出来る。これらの組み合わせから手根管症候群、肘部管症候群、頸椎症、糖尿病性末梢神経障害は明瞭に鑑別可能であった。上記以外の29手の内訳はdouble lesion,Pancoast腫瘍などであり、それらの補助診断としても有用であった。 環指の感覚神経活動電位の測定は短時間で測定でき、しかも非侵襲性であることからスクリーニングとして手指の“しびれ"の鑑別に有用と考える。
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