研究課題/領域番号 |
07807216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
岡崎 壽美子 (岡崎 寿美子) 北里大学, 看護学部, 教授 (30185417)
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研究分担者 |
田中 幸子 北里大学, 看護学部, 助手 (20286371)
堀 良子 北里大学, 看護学部, 講師 (70199529)
新田 なつ子 北里大学, 看護学部, 講師 (10172727)
城戸 滋里 北里大学, 看護学部, 講師 (20224991)
猪又 克子 北里大学, 看護学部, 講師 (20207723)
長谷川 芳子 北里大学, 看護学部, 助手 (80199348)
塚越 フミエ 北里大学, 看護学部, 講師 (70227362)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 気管内吸引 / 吸引圧 / 剥離細胞 / 喀痰 |
研究概要 |
健常者120名の自己排痰をパパニコロ-染色で分析した結果より、強制排痰により気管支粘膜から剥奪される喀痰には線毛円柱上皮細胞がほとんど存在しないことが確認できた。また、模擬痰による吸引予備実験の結果より、通常利用されている3孔式吸引チューブを使用すると痰で全孔が閉塞している時にのみ設定圧で吸引されることが分かり、高い圧でも気管支粘膜が損傷していない可能性が得られた。そこでK大学病院内で最も多く使用されている圧400mmHgと、文献記載の最小圧である100mmHgで3孔式吸引チューブを用い、呼吸器疾患を除く気管切開中の患者27名を対象に吸引を実施したところ、得られた細胞数にはばらつきが大きかったが両者とも腺毛の脱落した細胞はほとんど認められなかった。更に、吸引中に前者では200mmHg台、後者では60〜70mmHgに吸引圧が低下し、特に後者では痰が引ききれず効果的な吸引とは言い難い結果であった。細胞数のばらつきに関してはその後ラットを用いた基礎実験により強制的に剥奪された細胞が集塊で存在することが判明したため、分析方法を変更し固定後の細胞から切片を作成し検鏡することとした。対象は前回と同様の条件で患者2名を選定し、400mmHgの圧で各3回の吸引を実施したところ、6検体中4検体には集塊で存在する細胞が認められなかった。残りの2検体については集塊は存在していたが、融解、変性が進んでいたことから吸引前に脱落していた細胞群であると判断した。 以上の結果を総括すると看護技術としての吸引は、圧の上昇により危険性が加速度的に増加するのではなく、対象のその時々の粘膜の状態・痰の量・性状等を把握し、更に、チューブの材質等の諸条件を考慮した上で短時間で効率良く痰を取り除こうとしたときに、安全で効果的な技術の提供に結びつくといえる。したがって例え高圧で吸引したとしても以上のような留意点が考慮されていれば、安全で効果的な吸引が行える可能性があることが示唆された。
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