研究概要 |
小、中学校段階での学習者の日常生活に密着した素材としてどのようなものが選択可能であるのかを児童用調査および教師用調査を作成して調査した. 1:素材の抽出調査 (1)小学校理科3年生から6年生までの教科書,及びその指導書に記述されている内容,挿し絵,写真等の中から素材を抽出した。その総数およそ800項目であった。これを使って予備調査を行い,およそ200項目まで精選した。 (2)中学校第1分野の教科書、及びその指導書に記述されている内容、挿絵、写真等から素材を抽出した。その総数およそ1000項目であった。これを使って予備調査を行い、およそ200項目まで精選した。調査対象は小学校657名、中学校1186名である。 これらの調査票により小中学生が身の回りのどのような事柄に興味関心を抱いているかを調査した。 (3)結果の分析 分析方法としては予備調査の段階でクラスター分析により素材を精選し、本調査においては数量化理論を用いて生徒の教材選択の軸を抽出した。また、この分析によって得られた各素材のウェイトをその素材のメンバーシップ関数とすることで、ファジィシステム理論に適応できる素材データベースを構築することができた。これにより必要性に応じた素材をメンバーシップ関数で抽出することが可能となる。 2:教師側から見た生徒の授業観のFSM法による抽出 (1)FSM法を使って教師を通した生徒の授業観を抽出する方法を試行した。これにより生徒が授業で何を望んでいるかを教師がどのように受け止めているかを構造化する手法が開発できた。 (2)抽出された構造は人間が本来持っている感性を反映させることができ、分析の段階で、パラメータを変化させることにより意識構造の揺れを構造に表現させることが可能となった。
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