研究課題/領域番号 |
07831001
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
服部 哲則 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (40262224)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 腐蝕試験 / 出土青銅製品 / 埋蔵環境 / モデル実験 / 錫のピーク / 断面分析 / 金属組織 |
研究概要 |
腐蝕試験 腐蝕サンプルは、銅-錫の標準試料(板状)を予定したが、高価であることと、銅-錫-鉛の3系による腐蝕時の相互関係等を考慮し、またそのような合金サンプルの作成の手間を省くため、購入古銭とすることとした。 腐蝕液は、希硫酸、希塩酸を当初用いたが、出土青銅製品と同様な錆の状態が得られなかったため、現在食塩水および美術工芸において古色を出すのに用いる硫化アンモニウム液により再度腐蝕試験を継続中である。 青銅製サンプルの腐蝕(劣化)試験は、本研究だけでなく出土青銅製品の材質やその埋蔵環境と腐蝕状況(錆の種類等)との因果関係を探る上で重要なモデル実験である。現状では出土遺物と同様な錆を得るためには更に長期間の試験が必要であるが、短期間で有効な腐蝕試験法の確立のため研究を継続する。 サンプル断面の金属学的調査 したがって、本報告の時点では当初予定していた同一サンプルによる腐蝕片と未腐蝕片との比較は行われていないが、表面に錆層を形成している出土青銅古銭断面のEPMAによる線分析により、錆層下層部において錫の若干のピークを認めた。 一方、未腐蝕古銭の断面線分析により表面直下層において錫のピークが認められた。腐蝕と関係なく、青銅鋳造法により表面部に錫の濃度の高い金属組織の生成される可能性も考えられる。これらの観察調査の結果は、EPMAによる線分析チャートおよび元素分布分析写真と、実態顕微鏡による金属組織写真により記録された。
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