研究概要 |
1)調製 歴史資料に多い紙・木製品について,酸・アルカリ・酸(AAA)処理を含む化学処理について検討した。容器に遠沈管を用い,遠心分離機を利用することで,反復して行う化学処理の際に試料を効率良く回収することができるようになった。 平成8年度に導入された軽元素分析・精製装置を真空ラインと組み合わせ,効率良い測定試料の調製について検討した。当初予定されていたアモルファス・カーボンではなく,鉄触媒下で二酸化炭素を水素還元して得られるグラファイト・カーボンを得るべく調整を続けた。現状の真空ラインは10^<-5>Torrの高い真空度を達成できるのもの,1度に1試料の調製しか行なえないので,新たに枝管を追加し,効率良い試料調製を目指している。 2)測定 東京大学原子力研究総合センターのタンデム型加速器質量分析計(AMS)は,ビームコースの不具合から,予定されていた炭素14の測定精度を実現できないでいた。AMSは他の測定にも用いられていることから,これまでは充てられたマシンタイム内での調整を繰り返してきたが,平成9年度に大掛かりな再調整を行い,測定精度の向上を図った。 平成10年現在,測定条件の見直しを含めた炭素14の測定が再開されているが,本研究に関する試料測定は充分行われていない。
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