研究課題/領域番号 |
07833008
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血管生物学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小林 誠 九州大学, 医学部, 助教授 (80225515)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1995年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 血管平滑筋 / 細胞増殖 / 細胞周期 / 血管弛緩薬 / 環状ヌクレオチド / 細胞生物学 / 分子生物学 / カルシウムイオン |
研究概要 |
ラット大動脈平滑筋細胞の初代培養細胞を用いて、血管弛緩薬が血管平滑筋細胞の細胞周期制御におよぼす影響について検討した。細胞周期は、細胞周期特異的核抗原に対する単クローナル抗体の多重免疫蛍光染色によって、単一細胞レベルで同定した。また、逆転写PCR法によってプロトオンコジーンの発現を検討した。24時間の無血清培養によって、G_0期細胞を得た。血管弛緩薬・作動薬について以下の結果を得た。 1.細胞内サイクリックGMPを増加させて血管を弛緩させるニトログリセリンは、G_0期細胞の細胞周期やc-fos mRNAの発現には影響がない。一方、細胞内サイクリックAMPを増加させて血管を弛緩させるフォルスコリンは、細胞周期をG_0期⇒G_1期へ移行させ、c-fos mRNAの発現を増加させる。これらのフォルスコリンの効果は、Aキナーゼの活性化を介するものであり、また、チロシンリン酸化の関与が示唆された。ニトログリセリンおよびフォルスコリンは、共に血管平滑筋細胞の細胞質カルシウム濃度を低下させる。 2.新規降圧ペプチドであるアドレノメデュリンは、血管平滑筋の細胞質カルシウム濃度を減少させ、また、G蛋白質の活性化を介して、収縮装置のカルシウム感受性を低下させて、血管弛緩を引き起こす。さらに、アドレノメデュリンは、サイクリックAMP/Aキナーゼ系の活性化を介して、細胞周期をG_0期⇒G_1期へ移行させ、c-fos mRNAの発現を増加させる。この細胞増殖作用は、細胞質カルシウム濃度に非依存性である。 3.エンドセリン-1およびアンギオテンシン-IIは、血管平滑筋の細胞周期をG_1期⇒S/M期に進行させるプログレッション増殖因子である。また、UTPは、P2U受容体の活性化を介して、内皮依存性弛緩を引き起こすが、同時に血管平滑筋細胞のプログレッション増殖因子として作用する。
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