研究課題/領域番号 |
07833014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血管生物学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
笹栗 俊之 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室長 (30261209)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | プロテインキナーゼC / 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / 細胞増殖 / 細胞周期 |
研究概要 |
血管壁細胞の増殖調節におけるプロテインキナーゼC(PKC)の役割を調べるため、血管平滑筋細胞と内皮細胞の細胞周期に及ぼすPKC刺激薬の作用とその分子機構を検討した。 第一に、G_1期制御機構を平滑筋細胞を用いて調べた。G_0期のヒト臍帯動脈平滑筋細胞を増殖刺激すると15時間でS期に入るが、phorbol-myristate-acetate(PMA)を3時間までに添加するとS期進入が抑制された。Cdk2活性化とRb蛋白(pRb)リン酸化は9時間頃より起こったが、PMAによって抑制された。これらは、olcoyl-aceyl-glyccrol(OAG)を用いても再現できた。一方、Cdk4/6活性はPMAによって抑制されなかった。mRNAについては、Cdk2/3/4/5とサイクリンG/C/Dは0-3時間から発現し、これらはPMAによって抑制されなかったが、それより遅れて発現するサイクリンE/Aは抑制された。ところが蛋白レベルでは。PMAはサイクリンE/Aを減少させなかった。また、PMAはCdk阻害蛋白p21とp27の発現に影響を与えなかった。Cdk2のリン酸化を電気泳動度で検討すると、Thrl60がリン酸化された泳動の遅いハンドへの移行がG_1後期から起こるが、PMAはこれを抑制した。またPMAは、抗ホスホチロシン抗体で認識されるCdk2を増加させる傾向があった。すなわちPMAはThr160のリン酸化抑制か、Tyr15の脱リン酸化抑制により、Cdk2を抑制する可能性が示された。 第二に、G_2期におけるPKCの役割を内皮細胞で検討した。G_1/S境界に同調させたヒト臍帯静脈内皮細胞を解放すると、S期は12時間までに完了し、M期が約24時間より始まった。PMAとOAGをG_2期に投与すると、細胞数の増加が抑制された。しかし、M期同調から解放した細胞の分裂は抑制されなかった。また、PMA存在下ではM期の細胞がほとんど検出できなかった。以上より、PKCはG_2期を阻止することが示唆された。Cdc2はG_2/M境界附近で活性化されたが、PMAとOAGはこれを抑制した。PMAはCdc2のチロシン脱リン酸化とCdc25Bの発現を抑制した。またサイクリンBの発現も抑制した。すなわちCdc25とサイクリンBの発現抑制により、PKCはG_2/M移行を抑制することが示唆された。
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