研究課題/領域番号 |
07835005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 時限 |
研究分野 |
都市施設保全工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大谷 恭弘 神戸大学, 工学部, 助教授 (40194196)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ライフサイクルコスト / 維持管理 / 補修 / 建て替え / 集合住宅 / 劣化 / 地震被害 / アンケート調査 / 補強 |
研究概要 |
本研究では、集合住宅の様に将来において建て替えが必要となるであろう建築構造物に対し、そのライフサイクルを考慮した計画・管理システムの構築を目指している。特に、建物の構造的機能劣化に伴う構造性能の低下やその経済的損失度評価、および、機能性低下に伴う使用性や快適性の低下が集合住宅住民の修復や建て替え欲求に及ぼす影響等について研究を行った。 平成7年度は阪神大震災の影響もあり、特に、地震で損傷したRC集合住宅建物が補修・補強により再使用される場合について、ライフサイクル的観点からどの様に捉えるべきかについて検討を試みた。まず、構造的機能の観点からは、損傷建物の構造的機能劣化ならびに修復にともなう構造的機能回復度の定量化を構造耐震指標と関連づけることによって試み、その経済的損失度評価法について検討した。そして、神戸市内の実際の地震被害建物について損傷・修復に関する資料を収集し、それらに基づいてケーススタディを行った。また、構造的機能劣化の使用性・快適性に及ぼす影響に関する観点からは、地震で被害を受けたRC集合住宅の管理者・住居者を評価主体としたアンケート調査を実施することにより意識分析を行い、建物の機能性の低下や修復に伴う快適意識の変化や修復・建て替え欲求度の評価法の検討を行った。 さらに補修・補強事例とそれに掛かった費用等に関する資料をもとに、具体的な事例に対する経済的損失度評価式の同定を行った。特に、損傷建物の部材被害度を詳細に調べ、各層ごとの保有性能に関連させて、構造指標の変化とそれに掛かる費用との関係について調べた。一方、集合住宅住民の建て替え欲求度の定量化を目指し、住民の主観的最適建て替え時期に対する意志決定モデルを作成し、建物構造・築年数・資金等の観点について、地震被害の経験の無い集合住宅の住居者を評価主体としたアンケート調査を行いモデルの同定を試みた。 以上より得られた結果をもとに、構造的建て替え必要度と、住民からの建て替え欲求度を残存寿命を基にした評価指標で表現し定量化する手法について検討し、ケーススタディにより、その適用性・有用性について示した。
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