研究課題/領域番号 |
07838005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
咀嚼
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
高橋 哲 秋田大学, 医学部, 講師 (60226850)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | サイトカイン / 顎関節内障 / 滑液 / 一酸化窒素 / 炎症 / 顎関節 / インターロイキンlbata / 顎関節症 / 滑液解析 / 炎症性サイトカイン / Nitric Oxide / 変形性顎関節症 / Interleukin 1β / 遺伝子 / 滑膜 / PCR |
研究概要 |
本研究では顎関節内で炎症性サイトカインが産生されているかを滑液解析で検討し、さらに関節鏡下手術の際に得られた滑膜組織から、遺伝子工学的手法によりこれらの炎症性サイトカインの遺伝子発見を調べることで、顎関節内病態を細胞レベルで分子生態学的に解析することを目標にした。しかしながら、手術時のバイオプシーによる滑膜の採取による検体の入手は困難であり、この3年間ではサイトカインの遺伝子解析という当初の目的は到達できなかった。そこでわれわれは、近年の顎関節病態形成の仮説である、顎関節内の炎症過程における炎症性サイトカインおよびフリーラジカルの関与につての役割について検討すべく顎関節滑液解析に研究を移行した。すなわち、顎関節内障および変形性顎関節症の患者の滑液解析により顎関節滑液中に存在する各種炎症性サイトカイン、すなわちinterleukin(IL)-lbata、IL-6、tumor necrosis factor(TNF)α、IL-8などのサイトカインを同定するとともに、サイトカインと密接に関連するといわれるフリーラジカルの一つであり、強力な炎症反応因子である一酸化窒素(nitric oxide=NO)が、健常者の顎関節滑液中にはほとんど検出されないが、顎関節内障および変形性顎関節症患者において上昇していること、顎関節痛とサイトカインのうちIL-lbataが関連があること、またIL)-lbata濃度とNO濃度は正の相関を認めることを明らかにした。これらの結果を、Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 1996;82:505-509およびOral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 1998;85:135-141をはじめとしたいくつかの学会誌に報告した。さらにこれらの結果から、炎症サイトカイン、特にIL-lbataと一酸化窒素は、顎関節内障の病態形成に関与していることが示唆され、今後これらの遺伝子の検出を行うことで顎関節内障の病態形成のメカニズムが解明される一助となる成果が得られた。
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