研究課題/領域番号 |
07838024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 時限 |
研究分野 |
咀嚼
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中田 稔 九州大学, 歯学部, 教授 (40014013)
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研究分担者 |
藤瀬 多佳子 九州大学, 歯学部, 助手 (50284518)
早崎 治明 九州大学, 歯学部, 助手 (60238095)
野中 和明 九州大学, 歯学部, 助教授 (90128067)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 咀嚼 / 脳機能 / 顎運動 / 食行動 / サーカディアンリズム / 食物の性状 / 体温調節 / 液体飼料 / 脳内神経伝達物質 / 行動観察 |
研究概要 |
口腔保健の重要性を考えるにあたり、噛むことの生理的意義、特に全身機能との関わりに関する研究を行っている。咀嚼は、口腔内からの感覚情報が、中枢で統合処理されて、顎運動として出力される一連のシステムである。本研究では、口腔内感覚入力の全身機能への関わりを、ラットを用いた行動薬理学的実験で、また、運動出力については、性状の異なる食物に対する、小児および成人の顎運動を詳細に分析する臨床的研究によって明らかにすることを目的とした。中枢性摂食行動調節における口腔内感覚の関わりについて検討するために、正常な雄性成熟WKAラットに通常のペレット型固形試料または液体試料を与え、摂食、飲水行動、およびケージ内活動量にどのような変化が生じるかを、サーカディアンリズム測定装置を用いて、無麻酔無拘束下で観察記録し、解析を行った。また、ラットの体内にあらかじめテレメトリーセンサーを埋入し、体温と心拍数の変化を経時的に記録した。その結果、口腔感覚が異なる飼料、すなわち、咀嚼を伴う固形飼料と、咀嚼を伴わない液体飼料では、明暗周期別にエネルギー摂取量を比較した場合、明期の比率が増加することから、ラットの食行動に変化が生じ、律動的なサーカディアンリズムに変容がおこっていることがわかった。口腔内感覚と全身機能の関係の糸口を見い出し、学習・記憶能など高次脳機能への、次なる展開を検討中である。さらに、臨床的研究として、人間では硬度が異なるグミゼリー咀嚼において、顎運動にどのような変化が生じるのか、成長発育期の小児および成人において三次元的に測定し、口腔内感覚が変化した場合の運動出力の変化について、詳細にわたり解析した。最終目標は、口腔内は、一連の消化吸収の過程において、単なる入口ではなく、噛むことが、脳への必須情報源として大きな意味を有していることを明らかにすることにある。
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