研究課題/領域番号 |
07839013
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
光生物学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
嶋田 敬三 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80112473)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | カロテノイド / バクテリオクロロフィル / 光合成細菌 / 光捕集系 / 励起エネルギー転移 / クロロソーム |
研究概要 |
本研究では再構成系を用いて光合成細菌の光捕集複合体におけるカロテノイド分子種の特異性の検討を行い、カロテノイドとタンパク及びカロテノイドとクロロフィルの相互作用に関し以下の成果を得た。 1.紅色光合成細菌Rhodopseudomonas acidophila及びRhodospirillum rubrumよりカロテノイドのないアンテナ蛋白を精製し、これに外来カロテノイドを加えて再構成を行う再現性の良い実験系を開発した。 2.この系を用い、構造的に特徴のある数種のものを含め約12種のカロテノイドの再構成を行ったところ、天然にはトランス型直鎖状カロテノイドのみを結合している上記アンテナ蛋白にシス型、芳香環をもつもの、カルボニル基を持つものなどを含め約10種のものがほぼ定量的に結合した。両側に環構造を持つもののみは結合が認められなかったが、このアンテナ蛋白におけるカロテノイド結合部位の特異性はかなり低いことが解った。 3.再構成が行われたものではバクテリオクロロフィルへの光エネルギー転移効率は天然における場合の推定値と良い一致を示し、結合特異性の低さに関わらずバクテリオクロロフィルとの位置関係は一定であると推定された。 4.バクテリオクロロフィルへの光エネルギー転移効率はおおよそ各カロテノイドの共役二重結合の数に伴い変化することが示され、これがカロテノイドとクロロフィルとの相互作用に関わる最も重要な要因であることが示唆された。 タンパクの関与しないと考えられる緑色光合成細菌の光捕集器官クロロソームにおいては菌体中に含まれる5種のカロテノイドの内2種(βおよびγ-カロテン)がクロロソーム中核を成すバクテリオクロロフィルc会合体と強く相互作用していることが解ったが、再構成実験ではこれらのカロテノイドはバクテリオクロロフィルc会合体自体の形成には関与していないことが示唆された。
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