研究課題/領域番号 |
07851004
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
廣田 昭久 上智大学, 文学部, 助手 (40266060)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | リラクセイション / 自然環境 / 多変量解析 / 生理学的反応 / 因子分析 / 反応パターン |
研究概要 |
リラクセイション状況に関する質問紙調査より得られた、リラクセイション状況因子としての自然環境因子に注目し、自然音を呈示しイメージさせた条件下での個々人の生理反応を多変量的に分析することにより、リラクセイション反応パターンというものを検討した。波、風呂、湧水、鳥等のリラクセイション状況に関係する自然環境音と、比較刺激として雑踏、雨等の状況音とを呈示し、その際の心拍、血圧、血流量、末梢皮膚温、前頭筋筋電図、呼吸数といった生理学的諸反応と、好意度、リラックス度、緊張度等の心理的評定値とを同時に記録した。その結果、評定値においては、自然環境音刺激は比較刺激呈示下よりも、より好意度が高く、よりリラックスと評定され、緊張度も低く、心理的にリラクセイション状況として評価されていた。しかしながら、生理反応指標については、刺激音呈示直前のベースレベルからの音刺激呈示下の平均変化量に基づいて分析した結果、各生理指標ともに個人差が大きく、自然環境音呈示下で明瞭な全体的反応傾向は判別できなかった。そこで、ベースレベル値と各音呈示時の変化量を用いて主成分分析を行い、各音刺激下の生理反応パターンの抽出を試みた。その結果、自然環境音においては各々5因子が、比較刺激音では4〜6因子が抽出された。さらに、これら因子の示す生理反応パターンが音刺激間で共通するものか、その音刺激下で特異的なものかを検討するため、各音での因子負荷行列を用いた因子分析を行い、因子のグループ化を試みた。その結果、リラクセイション状況としての自然環境音に共通する生理反応パターンとして、血圧の低下と皮膚温の上昇、ならびに呼吸数の低下が見出された。さらに、共通する反応パターン以外に各自然環境音に特異的な反応パターンも存在することが示され、自然環境による効果の差、個人における効果の差が示唆された。
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