研究概要 |
過疎化のすすむ新潟農村地方において,生涯学習支援体制をつくるにあたり,異文化理解にとって具体的な「カベ」となる点を集中的に考察した。 また,同時に,生涯教育・学習が,わが国に根をおろすことと行政がこれと関係していくことの意味について,地域政策史(特に1960年代以降)からのまとめをおこなった。 前者については,農村過疎対策として,アジア諸国から「花嫁」をむかえ,後継者づくりと農業活性化を意図している現実がもつ問題点を整理した。そこで特に民族問題という日本社会全体が持つ問題が過疎農村地域社会に集中的に表出している事実をおさえ,そのうえでそれをのりこえようと取り組んでいる生涯学習実践の重要性に注目し,行政施策を中心に調査をおこなった。 また,地域と生涯学習政策については,生涯学習体系が地域住民に受け入れられていく必然性を生涯学習論を分析していくことで明らかにした。 なお,これについては,「生涯教育について」として,明石書店出版,鎌倉孝夫・黒沢惟昭編『教育理論講座』にて1996年5月公表予定である。 なお,視察実態調査を予定していた山形県農村については,十分に事前調査がすすまず,次回に予定したい。
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