研究課題/領域番号 |
07851036
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 四国女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
廿日出 里美 四国大学短期大学, その他部局等, 講師 (40248323)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 入園式 / 学校分化 / ルーティン / エスノグラフィー / マイクロ・エスノグラフィー / 幼児教育 |
研究概要 |
本研究では、フィールドワークに入る前に、まず、日本とアメリカにおける民族誌的研究と研究者の出身文化との関係について整理し、先行研究の問題点と日本人研究者による日本研究の意義を明確にした。フィールドワークは、これまで日本人にとっては、あまりにも日常的で、特に記述の対象とならなかったような事象の微視的分析と外国人研究者による日本研究との整合に配慮して実施した。データ収集は、面接調査と参与観察を併用した。面接調査では、徳島、広島、福岡の保育所・幼稚園に在職する保育者を対象に、どのように入園児を受け入れるかについて聞き取りを行ない、地域、施設の規模、保育方針による入園児の受入態勢の違いや共通する特色を把握した。参与観察では、徳島県内の保育所を対象に、入園日より10日間、及び、追跡調査として、半年後の6日間、午前中の保育を中心に、VTR録画とフィールドノートへの記載を行なった。これらのデータの言語分析を進める傍ら、平成5年度文部省科学研究費補助金国際学術研究「道徳的社会化の態様と教育構造に関する日米比較研究」(代表者・友田泰正・大阪大学)により実施したアメリカにおける保育所の入園期、及び、その追跡調査の分析結果との比較を試みることによって、日本的な特徴を概念化し、関連場面のさらに微視的な言語分析へと研究を進展させた。分析の結果、(1)日本では、象徴的・抽象的な儀礼によって家族や園全体の行事として、園生活が始まるのに対して、アメリカでは、日常の保育の一貫として入園日を迎えており、(2)日常のルーティンの形成に関しては、日本では、時間と空間に自由の幅をもたせ、活動に参加しているうちに、生活のリズムが共有されているのに対して、アメリカでは、保育者が明確で混乱をさけるための手だてを子どもたちにあらかじめ示すことによって、子どもたちの自立を促し、ルーティーンが形成される、という仮説の生活に至った。
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