研究課題/領域番号 |
07851040
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
|
研究機関 | 駿河台大学 |
研究代表者 |
保坂 裕興 駿河台大学, 文化情報学部, 専任講師 (30219159)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 日本近世 / 村落 / 百姓 / 村方文書 / 村方騒動 / 文書群 / 階層構造 / 文書管理 |
研究概要 |
1 対象とした村方文書群と研究経過 信濃国五郎兵衛新田村・武蔵国矢颪村・摂津国西喜連村の名主文書を対象とした。本研究の目的は、文書群に内在する〈ゆらぎ〉や〈断層〉に関する知的技術の来歴を問うものであった(「萌芽的研究」)。文書の写真撮影・デュープ作成をし、当時の文書目録をコンピュータデータベースとし、さらに百数十件に及ぶ関連文書のフルテキストデータを作成した。 2.実施結果 (1)五郎兵衛新田村;村政変革の起点1723年の〈断層〉は、諸国巡検使廻村と新任代官増田太兵衛によって、助郷人足帳簿、村入用帳等の基本帳簿作成について指示がだされ、村が〈ゆらぎ〉の調整と実施に乗り出した結果であったことが判明した。 (2)矢颪村;年番名主制をとり1720年代後半から村方文書の引継ぎを行ってきた当該村は、1726年の村勘定をめぐる村方騒動で、同様の騒動を経験し幕府代官から指示を受けていた隣村より、調停案を出してもらっていた。この経路で文書システムが伝播した。 (3)西喜連村:1812年に本格的な帳簿改めを行った当該村は「当分入用」・「当時不用」・「当時不用」の3種類に分類管理した。現代の文書管理で言えば、現用・半現用・不要に相当し、理念は別であるが先駆的形態が取られていたことを発見した。 3.今後の研究展開 以上によって村方文書総体を捉える端緒を手にしたが、電算機の有効利用をはかりながら、さらにいくつかの契機を見つけ出し、文書小群からなる全体図式(「文書群の階層構造」)を描き、成果を公表していく。
|