研究課題/領域番号 |
07852008
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川濱 昇 京都大学, 法学部, 助教授 (60204749)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 効率的資本市場 / 適合性原則 / 説明義務 / フレーミング効果 |
研究概要 |
伝統的な証券投資勧誘規則のうち代表的なもの、断定的判断の提供、適合性原則、説明義務に関わるわが国及び米国の判例の整理・検討は順調に進行している。特にこれらの法理による投資者保護が図られている局面では、一般投資家が経済的合理性を発揮できない事情があることを明らかにしつつある。現在はそれらの事情と法的保護のあり方との相関関係を考察しているところである。これと平行して、投資家の保護が証券市場の効率的運営にいかに資するかの検討も行っているが、今のところ合理性から逸脱した投資家をつけ込む業者の存在が、他の証券仲介業者の効率的な活動に不可欠な「評判」資産を傷つける外部効果を持つことの指摘などに止まっており、更に検討を重ねる必要がある。 これまでの分析の解釈論上の成果としては、従来十分に解明されてきたとは言い難かった、適合性原則と説明義務の関係についてある程度解明し得たことが挙げられる。説明義務の範囲や内容が投資勧誘過程全体の適切さと関連していることを意思決定におけるフレーミング効果の観点から正当化しようという試みに基づいて、一般投資家の、財政基盤、ソフィスティケーション、投資意向などと投資対象の特性が説明義務の程度をめぐっていかなる影響を与えるかについてはかなりの程度明らかにし得た。その成果を利用して、ワラント取引勧誘の際の説明義務に関する近時の判例を批判的に検討するという作業は既に完成し、論文を公表予定である。
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