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近代日本における「財界」の確立と国家

研究課題

研究課題/領域番号 07852009
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 政治学
研究機関北海道大学

研究代表者

松浦 正孝  北海道大学, 法学部, 助教授 (20222292)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード財界 / 政財官 / 財界人 / 財界世話役 / 八日会 / 池田成彬 / 審議会 / 帝人事件
研究概要

本研究の目的は、現代日本の政財官関係の歴史的背景を明らかにするため、「財界」に焦点を当て、その戦前における形成・確立と戦後への継続の過程を分析することにあった。私は本年度東京大学から北海道大学に異動したため、「財界」に関する基礎的データを収集・整理するためにパソコン等を購入し、東京大学・国会図書館・証券研究所等で資料収集を行い、郷誠之助の遺族らにインタビューを行った。そしてこれとあわせて、郷や池田成彬・和田豊治・井上準之助らの代表的「財界人」についてのデータを収集・分析した。
これらの作業の結果、従来不明確だった「財界」の形成過程とその実態が、かなり明らかになった。即ち、第一次世界大戦の衝撃の結果、民間経済界の中に、政府との協議・調整機関を持とうという動きが生まれ、「八日会」という政治経済権力の核が形成された。彼らは、「財界世話人」として、公的な審議会に参加すると同時に「八日会」を中心とする私的なネットワークを形成し、政府と連絡しながら戦前日本の経済的枠組を形成・運用した。その流れは金融恐慌を経て強化され、準戦時体制期には彼らの存在が「帝人事件」として浮き彫りにされ、戦時体制期には第一次近衛内閣の池田蔵相兼商工相の下での戦時経済構築を支えた。そして、戦後の「財界」再生へとつながったのである。
以上の成果の一部は、後述の「研究発表」に掲げた著書・論文として発表された他、東京大学社会科学研究所や北海道大学法学部の研究会で報告された。本研究は、一年間という短期間の、しかも予算の限られた研究であり、当初予定していた「財界人」についての基礎的なデータの構築等の作業はまだまだ不十分である。しかし本研究は、従来ほとんどなかった「財界」についての初めての本格的な歴史的・実証的研究であり、今後もこれを推し進めて、日本の政治経済システムの形成過程を歴史的に明らかにしていく予定である。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松浦正孝: "「帝人事件」考〜戦前日本における財界の組織化と政界・財界関係" 年報政治学. 3-29 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 松浦正孝: "日中戦争期における経済と政治" 東京大学出版会, 360 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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