研究課題/領域番号 |
07854032
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
|
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
若狭 雅信 理化学研究所, 分子光化学研究室, 研究員 (40202410)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | チオフェノール / 光還元反応 / 反応機構 / 磁気同位体濃縮 / 磁場効果 |
研究概要 |
1.置換チオフェノールの合成:磁場効果や磁気同位体効果の研究においては、光反応により生成するラジカル対の寿命をのばすめに、通常はミセルが反応場として用いられる。この場合、ミセルのダイナミクスがラジカル対の反応に大きな影響をおよぼすために反応の解析が難しくなる。そこで今回、チオフェノール(PhSH)から水素を引き抜くベンゾフェノン(BP)をアルキル鎖で連結することで、ミセルを反応場として使用せずにすむようなチオフェノール-ベンゾフェノン連結化合物(BP-O-(CH_2)_n-O-PhSH;n=10)を新規に合成した。 2.反応中間体の検出:レーザー光分解法により反応中間体の直接検出を試みた。レーザー光照射(励起波長266nm、パルス幅8ns)により、速やかにベンゾフェノンケチルラジカル(530nm)とフェニルチイルラジカル(450nm)の吸収が生成し、およそ40nsで消失した。このことは生成したビラジカルが再結合したものと解釈できる。 3.磁場効果:BP-O-(CH_2)_n-O-PhSHをアセトニトリル中でレーザー光照射し、生成したベンゾフェノンケチルラジカルの消失過程に対する磁場効果をで0〜10テスラの磁場下検討した。磁場を加えることで減衰速度はまったく変化せずに、初期強度のみが磁場と共に減少した。この磁場効果はΔg機構によると考えられる。また、磁場効果がレーザー光パルス幅の時間内に終了していることから、均一系溶媒でもこの様な速い反応を用いれば磁場効果が観測できる可能性が示唆された。 4.磁気同位体効果:磁場効果の結果から、均一溶媒を用いたチオフェノールの光還元反応によるS-33の磁気同位体濃縮の可能性が示唆された。
|