研究概要 |
酵母類のミトコンドリアDNA(mtDNA)はSchizosacchromyces属の17KbからBrettanomyces属の100Kbを超えるものまで、大きさが多様であることが特徴の一つとなっている。しかし、研究されている酵母mtDNAの種類は少ない。本研究では、単極出芽というユニークな増殖様式を持つMalazzia属のmtDNAの性状について解明し、系統的位置付けを明らかにすることと、Debaryomyces属の系統関係を明らかにするための準備段階としてmtDNAライブラリーを作成することを目的とした。 本年度はMalazzia furfur, M. pachydermatisのmtDNAを単離し、制限酵素処理を行い、pUC19プラスミドを用い、両種のmtDNAライブラリーの作成を行った。この結果、両種のmtDNAは20-25Kbと推定された。これは、酵母のmtDNAとしては小さいほうになる。今後、遺伝子座やイントロンの大きさを調べるなどを行う予定である。これと並行して、制限酵素地図の作成を行った。H. furarについては4酵素、M. pahydermatisは2酵素しか明らかにできなかったが、今後、詳細に検討する。 M. furfurのチトクロームオキシデ-スサブユニット2遺伝子(COX2)については全塩基配列を決定した。M. pachydermatisについては現在までに約300bpを決定した。このデータを基に、Malazzia属の系統的位置付けを明らかにしたい。 Debaryomyces属については現在ライブラリーを作成中である。
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