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新しいタリウム系遷移金属電気伝導性酸化物の探索と単結晶育成及び結晶構造と物性

研究課題

研究課題/領域番号 07855003
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 応用物性・結晶工学
研究機関東京大学

研究代表者

長谷川 正  東京大学, 物性研究所, 助手 (20218457)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードタリウム系銅酸化物 / 酸化物超伝導体 / 新物質 / 単結晶 / リ-トベルト解析 / 下部臨界磁場 / 磁束ピンニング
研究概要

電気伝導性酸化物における従来の新物質探索の主流は,高温超伝導体に関連したペロブスカイト型酸化物を対象としているが,タリウムが有毒かつ化学的に活性なため,タリウムを含んだ同系の酸化物はほとんど新物質探索の対象とはなっていない.そこで,タリウム系遷移金属酸化物において新しい電気伝導性酸化物の物質探索を行い,得られた新物質の単結晶育成および物性と結晶構造の評価を試みた.新しいタリウム系銅酸化物電気伝導体Tl_2Ba_5Cu_4O_xを見いだし,自己フラックス法による単結晶育成に成功した.電子線マイクロアナライザー法と高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法を用いた化学分析の結果,正確な化学組成はTl_<1.41>Ba_<4.17>Cu_<4.59>O_xであることがわかった.高分解電子顕微鏡原子像観察と粉末X線回折リ-トベルト解析の結果,結晶構造はTl_2Ba_2CaCu_2O_xのCaをBaと空孔で置換した構造を有しており,空間群はI4/mmmであり,格子定数はa=5.5023 (7)Å,c=27.257 (3)Åであることがわかった.Caを置換したBaと空孔は一つおきに配列し秩序化していることがわかった.また,超伝導量子干渉計を用いた磁化の温度依存性測定の結果,本物質は約87Kで超伝導転移することがわかった.転移温度は若干の物質依存性があり最高92Kであった.また,5Kでの下部臨界磁場は約8Oeでありかなり低い値であることがわかった.さらに,磁化の温度依存性の磁場依存性を調べた結果,本物質は磁束ピンニング力がかなり小さいことがわかった.このことから,Baと秩序化しているCaを置換した空孔という格子欠陥は磁束ピンニング力の向上には有効ではないことがわかった.

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 長谷川正: "タリウム系酸化物超伝導体の単結晶育成とフラックス組成" 日本結晶成長学会誌. 22. 88-88 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 長谷川正: "タリウム系酸化物超伝導体の単結晶育成とフラックス組成" 人工結晶討論会講演要旨集. 40. 77-78 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Masashi Hasegawa: "A New Higt-Tc Cuprate Sapercondactor Tl_2Ba_2Cu_4O_x (Growth, Structure and Superconductioity)" Physica C. (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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