研究概要 |
大規模集積回路(LSI)製造技術における創成面の計測・評価手法として,工程中にインプロセスで,直径数10μmのスポット径内での創成面の結晶構造の解析が可能なRHEED(反射高速エネルギ電子線回折)がある.RHEEDによって,成膜工程中に,創成面の結晶構造の解析や1原子層オーダでの成膜量の測定が行われている.RHEEDでは,従来より,観察されるRHEED像の「ストリーク」と呼ばれる線が,表面形状によって変化することが知られており,成膜工程中の創成面の幾何形状の評価手法としても期待できる.しかし,表面形状とRHEED像の関係は必ずしも明確化されておらず,RHEED像と表面の形状の関係は十分には解析されていない. そこで本研究では,RHEED像と表面の形状の解明の基礎的第1段階として,RHEED像と表面形状の関係を実験的に体系化することによって,両者の間の関係を解析することを目的とした. 具体的には,表面形状の異なった多種類の試料に対するRHEED観察像を画像処理によってパソコン上でデータベース化するとともに,パターン・マッチング手法によって表面形状の相違に対するRHEED像の相違を整理体系化し,別手法によって測定した同一試料の表面幾何形状と比較することで解析を進めた.表面幾何形状とRHEED像の間になんらかの関係性が存在することが明らかとなったが,十分な解析にはいたっていない.
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