研究概要 |
テフロンの微細粒子を分散させた超撥水性処理面における凝縮液滴の生成機構を解明するため,下記のことがらを実施しそれぞれに示す成果を得た. 1.実験装置の制作:微細加工面(銅板およびアルミ板)を冷却し,液滴の生成挙動を顕微鏡で観察するための試験部を作製した.試験部は,落射型金属顕微鏡のステージに設置できる寸法および構造で製作した. 2.実験結果:試験冷却面上に生成する凝縮水滴の初期挙動から冷凍に至るまでの過程を,顕微鏡に取り付けたCCDカメラとビデオレコーダーを通じて観察を行なった.初期の水滴生成核が約2〜3ミクロンの大きさで発生し,テフロン粒子間のキャビティ内にて成長しやがて凍結し霜層へと発達してゆく経過を明らかにした.また,粒子間に形成した液滴が凍結する際の体積変化によりテフロン粒子を剥落させ,その結果,表面の撥水性が低下することを解明した. 3.数値解析による検討:3種類の異なる断面形状を有するキャビティを対象とし,壁面温度,キャビティ内の空気温度および水蒸気分圧に関して数値解析を行い,凝縮液滴の発生位置の推定を行った.冷却面を水平気流中に平行に置いた場合に関しても併せて検討を行った.数値解析の結果より,様々な条件に対して初期液滴の生成位置が明らかとなったが,いずれの条件においても,液滴はキャビティ深奥部で発生するという,実験における観察結果を裏付ける結果が得られた.
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