研究概要 |
ラプラスポテンシャルを用いたロボットの動作計画法の高速化の手法として計算の領域を分割しネットワークにより接続された複数台のコンピュータ上でロボットのコンフィギュレーション空間およびポテンシャル場を計算した。並列計算は4台のコンピュータを用いて行ない、コンピュータ間の計算速度の違いによる非効率性を吸収するために計算実行前に整数および実数計算についてベンチマークテストを行ない各々のコンピュータの計算領域の割り振りを行なった。分割されたコンヒグレーション空間における干渉チェックは各コンフィギュレーション空間ごとに独立しているので各々のコンフィギュレーションの干渉チェックをしている間は通信を必要としない一方ポテンシャル場計算においてはGauss-Saidel反復法の一反復につき一回境界値を交換するために通信を行なう必要があった。コンピュータ間の通信プロトコルとしてTCP/IPを使用した. 上述した条件で障害物が存在する作業空間におかれた4自由度アーム形ロボットの動作計画問題を解いた。ロボットのコンフィギュレーション空間はロボットの基台に近いリンクからそれぞれ72,36,36,18に分割した。並列計算の効率は正規化された計算速度の合計を台数で割った値と、基準としたコンピュータの速度の比とした。実験の結果コンフィギュレーション空間の計算においては並列化の効率は93%となった。一方、ポテンシャル場の計算では並列化の効率は72%となった。これは、反復毎の通信量が多いことと、その通信が特定の時間に集中するためであると考えられる.
|