研究概要 |
最近、小型機械システムの組立やメンテナンス、バイオ・エンジニヤリングなどの多くのニーズからマイクロマシンは多方面で盛んに研究されており、主としてIC加工プロセスを応用することによりアクチュエータ、グリッパやモータなどの立体構造物の作成が行われている。この分野では犠牲層エッチング技術がブレークスルーとなり、単なる部品作成から機械システム作成へと進んだ。 本研究では、大がかりな乾式技術の代わりに、手軽で安価に成膜・加工が出来るメッキ法を用いた簡単なプロセスでより複雑で立体的な構造体の作成プロセスの開発研究を行った。特に、メッキ法による成膜と犠牲層エッチングを組み合わせたプロセスの研究を行った。 ○ メッキ法における犠牲層エッチング技術の基礎を確立するため,無電解メッキと電気メッキとの組み合わせでニッケルと銅の多層の成膜を行った.無電解メッキの選択成膜,電気メッキのフォトレジストによるマスク成膜,金属のエッチング性の違いを組合せたプロセスを開発した. ○ メッキ成膜により立体的な構造体を作るための型わくの製作技術のついて研究を行った.シリコンのマグネトロン反応性イオンエッチング装置を開発し,基板を-80℃程度に冷却する事で結晶異方性のウェットエッチングの倍のスピード(4μm/min)でサイドエッチのほとんどない異方性エッチングを行う事ができた.また高透過性高感度厚膜レジストもメッキ型枠の材料として使えることが分った. ○ 感光性ガラスは熱処理の際の変形に注意すれば複数枚重ねることで十分立体的な構造(マイクロバルブ)を作る事ができた.感光性ガラスもメッキ型枠の材料として使うことが出来る. ○ 形状記憶合金薄膜の電流加熱による熱処理法について研究した.この方法はメッキ成膜した膜の熱処理にも役立つと考えられる.
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