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本研究は新旧コンクリートの打継目が力学的弱点であるとともに有害物質の侵入の観点からも弱点であることから、打継目の密実性を透気係数により定量的に評価したものである。本研究では打継目の密実性に影響を及ぼす要因として、打継目の処理深さ、新コンクリートの種類、作用応力レベルの3項目を取り上げ、各要因が新旧コンクリートの打継目の透気係数に及ぼす影響を明らかにした。
本研究で得られた結果をまとめると以下のとおりである。
1)新旧コンクリートの打継目の透気係数は本実験で用いたセメントの種類および水セメント比の範囲においてはその違いによらず既設および新設コンクリートの透気係数より大きい。2)新旧コンクリートの打継目の透気係数は超速硬セメントを用いた場合には普通ポルトランドセメントを用いた場合より小さくなる。また、どちらのセメントの場合においても打継目の透気係数は水セメント比が小さくなると小さくなる。3)既設コンクリートの打継目の処理深さを深くすることにより打継目の透気係数は小さくなり、その影響度は水セメント比およびセメントの種類に比べて大きい。ただし、新設コンクリートのブリージングが多い場合には処理深さを深くすることにより打継目の透気係数は大きくなる場合がある。4)静的な引張荷重が作用した場合、荷重の増加とともに打継目の透気係数は増加する。その増加割合は普通ポルトランドセメントのほうが超速硬セメントより大きく、水セメント比の大きい場合には大きくなる。しかしながら、引張荷重の作用により増加する透気係数は荷重が作用していない場合の透気係数に比べてわずかである。
今後の課題として、長期的な持続荷重が作用した場合の透気性状について検討する必要がある。
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