研究課題/領域番号 |
07855080
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 剛久 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20220478)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | BaTiO_3 / 結晶粒成長 / PTCR / 単粒界 / 粒界方位 |
研究概要 |
BaTiO_3セラミックスにTi^<4+>またはBa^<2+>イオンと価数の異なる陽イオン、例えば、Nb^<5+>やY^<3+>イオンを添加すると、添加されたイオンがドナーとして作用するために室温において半導性が生じる。そして、試料が多結晶体の場合には、温度変化に対して抵抗値が不連続的な増大を示すいわゆる、Positive Coefficient of Resistivity Effect (PTCR Effect)を示す。しかしながら、PTCR挙動に関しては未だ、その機構について明らかにはされてない。本研究では、このPTCR特性を示す試料についてその微細組織を制御する点に着目し、微量添加元素が微細組織に与える影響および微細組織が制御された試料を用いて、単粒界でのPTCR特性の評価を行った。 まず、微細組織制御であるが、BaTiO_3の微細組織は、ペロブスカイトが多結晶構造中での微量のA/Bサイトの非化学量論性が大きく影響を及ぼすことが判明した。すなわち、微量のAサイト過剰試料では連続粒成長が生じ均一な整粒組織を呈するのに対し、Bサイト過剰では、異常粒成長が生じ、不均一な組織を呈することが判明した。そして、同試料では熱処理条件を最適化することによって粒径約1mm程度の粗大結晶粒組織が得られることが判明した。 この様に添加量そして熱処理温度を制御することによって粗大結晶粒組織が得られた試料に対し、単粒界測定が可能となった。単粒界測定を行った結果、PTCR特性には結晶粒界方位依存性が存在することを突き止めた。本研究結果は、PTCR特性の起源に関する知見を与えるものであり、今後、PTCR特性と結晶粒界方位との関連性について研究するための指針を与えられたものであると考えられる。
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