研究課題/領域番号 |
07856011
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
稲垣 穣 三重大学, 生物資源学部, 助手 (20242935)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | リパーゼ / リピドA / 部位選択的反応 / アセチル化 |
研究概要 |
1.大腸菌C株LPSの大量培養によるリポ多糖の大量調製 反応材料であるリピドAを大量に確保するために大腸菌C株を4%wtのグルコースを炭素源として含む栄養培地6Lを用いてジャーファーメンターによる培養を検討したところ、菌体収量は乾燥脱脂菌体で75gに達した。その菌体から2.25gのLPSを抽出し調製することが出来た。得られたLPSのバクテリオファージφX174のレセプター活性をプラーク計数法を用いて評価したところ、低栄養培地から得られた菌体由来の従来のLPSと全く同等の活性を持っていることが確認された。 2.1位脱リン酸型リピドAの調製と分離精製 大量に調製したLPSを0.1N HClにより加熱加水分解して1位脱リン酸型リピドA(MLA)を調製した。MLA混合物からゲル濾過カラムクロマトグラフィーに引き続きシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより大腸菌MLAの主成分であるヘキサアシルMLAを単離精製した。その際シリカゲルカラムの溶出にはCHCl_3: MeOH: H_2O=60:10:1の混合溶媒が最も分離能が良いことを見いだした。 3.リパーゼを触媒とするリピドAの選択的アセチル化反応 単離精製したヘキサアシルMLAを酢酸ビニルをアシル化試薬として加え、酵素リパーゼを触媒とするアセチル化反応を検討したところ、TLC上で新しい化合物の精製を認めた。NMR解析の結果、この生成物はMLAの構成成分である3-ヒドロキシ脂肪酸がアセチル化された物であることが判り、脂肪酸が一旦脱離した後にリパーセによりアセチル化を受けたものと推定された。そこで次に4'位のリン酸をジメチル化した誘導体を調製し、2次元NMRの解析により確認した。このジメチル体についてリパーゼによるアセチル化反応を検討したところ、ゆっくりと反応が進行して低収量(6%)ながら生成物を単離した。^1H NMR分析の結果、アセチル基とMLAの糖鎖及びアシル基の吸収を合わせ持つ化合物であることが判り、リピドAのアセチル化物であることが強く示唆され、現在精密な分析を行っている。
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