研究課題/領域番号 |
07857044
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (90212761)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 随伴陰性変動 / 運動準備電位 / パーキンソン病 / 基底核 / ジストニア / 歩行 |
研究概要 |
ヒトの随意運動における主として皮質下構造の関与を明らかにするために脳電位による研究を行い、以下の様な新しい知見をみいだした。 1.パーキンソン兆侯を有する患者(パーキンソン病・進行性核上性麻痺)13名(平均年齢62歳)において単純な手首運動に先行するCNV後期成分を記録し、健常老年者10名(平均年齢64歳)の結果と比較した。Hohen&Yahr分類でII度以下の軽症群では健常老年者群と有意な差はなかったが、III度以上の重症群では健常老年者群よりも有意に低振幅化していた。以上よりCNV後期成分は基底核機能を反映すると考えられた。 2.基底核障害では歩行異常は重要な症状であるため、まず正常者において歩行運動に先行する随伴陰性変動(CNV)を検討し、単純な足の背屈運動の場合と比較した。歩行時には、足の背屈運動の時より正中部でのみ選択的にCNV後期成分が増大し、補足運動野の活動との相関が強く示唆された。今後パーキンソン病患者での"Kinesie Paradoxale"の病態解明へと検討する予定である。 3.随意的な筋収縮の弛緩に先行する準備電位を正常者で検討し、随意的筋収縮による随意運動に先行する準備電位と比較した。筋収縮の場合同様に、準備電位は筋弛緩開始約1.5秒前から出現し運動と対側優位の分布を示し、出現潜時はむしろ筋弛緩の方が長かった。以上より随意的筋弛緩においても随意的筋収縮の場合と同様の脳内準備状態が生じることが示唆された。 4.3で記した随意的筋弛緩に先行する準備電位を右上肢ジストニア患者で記録し、ジストニアにおける運動皮質レベルでの筋弛緩機構の障害を検討した。右上肢筋の弛緩に先行する電位は、正常者に比較して左半球でより低下している傾向がみられた。
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