ヒト骨髄細胞をPhycoerythrinでラベルしたCD34抗体とFITCでラベルしたCD33抗体で二重染色し、FACSによりCD34陽性CD33陰性分画の細胞を分散した.mRNAを抽出後、サイトカイン受容体に特異的なモチーフであるWSXWSとPXPのアミノ酸に対応する塩基配列を持つPCRプライマーでRT-PCRを行った.RT-PCRは、あらかじめ最適化してあったヒト巨核芽球細胞株であるUT-7由来のmRNAでエリスロポエチン受容体cDNAが53倍に濃縮できる条件で行った.RT-PCR後に得られた遺伝子増幅産物をサブクローニングしてプラスミッドライブラリーを作製した.この中から500個のコロニーを無作為に選びDNA塩基配列を決定した.244コロニーは79種類の既知の遺伝子で、このなかにはGM-CSF受容体とG-CSF受容体が含まれていた.一方、他の256コロニーには198種類の未知の遺伝子が含まれていた.この中に新規のサイトカイン受容体が含まれているかどうかをさらに検討するために、DNA塩基配列をもとにhydrophobicityの解析をおこなった.プライマーの設計に使用した二つのサイトカイン受容体のモチーフの間には膜貫通部が含まれていると予想されることから、hydrophobicなアミノ酸配列をもつクローンを選別した.その結果、少なくとも3種類のクローンが強いhydrophobicな領域を含んでいることが明らかになった.現在、これらのクローンについてさらに詳しい解析を行っている.
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