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フラクタル次元を用いた形態の複雑さの定量化

研究課題

研究課題/領域番号 07857130
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 形態系基礎歯科学
研究機関東京歯科大学

研究代表者

田松 裕一  東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80266569)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードフラクタル / 形態計測 / 頭蓋骨 / 縫合
研究概要

これまでの形態学的研究は対象とする物の形を詳細に記述することが中心であり、対象の大小や長短を論じることはできても、形の複雑さを定量的に比較することは困難であった。そこで、最近物理学の領域で自然界の事象や形を表現するために研究が行われているフラクタル次元を、形態学の研究に応用することを考えた。すなわち、フラクタル次元を用いて生体を構成する器官・組織の形態の複雑さを定量化することである。
今年度は、その中でも比較的取り組み易かった頭蓋骨における縫合の複雑さの定量化を行った。
材料にはヒトの頭蓋骨を用い、リアス式海岸の様な複雑な曲線形態を示す矢状縫合を測定対象とした。まず、縫合の形態をトレーシングペ-パ-に正確に写し取った。次に、ディバイダを一定の間隔(d)に開いて固定し、縫合をトレースする回数(N (d))を記録した。ディバイダの間隔(d)を2mmずつ変えて5種類の間隔の各々について回数を記録した後、X軸にlog d、Y軸にlog N (d)をプロットして、それから得られる回帰直線の傾きを求めた。結果は、回帰直線の傾きが-1.3852であった。すなわち、この図形のフラクタル次元(k)はk=1.39となり、これはコッホ曲線のフラクタル次元1.26よりも大きな値であり、矢状縫合の形態はコッホ曲線よりも複雑であることが分かった。
このように、これまでは定量化が困難であった生体の構成器官・組織の形態の複雑さをフラクタル理論を応用すれば測定が可能であることが分かった。今回の骨における計測をさらに進めるとともに、今後は他の器官・組織にも適用してみたい。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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