研究概要 |
骨におけるメタロチオネイン(MT)mRNAの発現の検討 本研究では骨細胞の特性を保持した株細胞としてマウス頭蓋冠由来の骨芽細胞株MC3T3-E1を用いた。 ・RT-PCR法を用いたMTmRNAの検出 骨芽細胞株MC3T3-E1にカドミウム(CdCl_2)を10μM投与して24時間培養後全RNAを抽出し,すでに設計したMTmRNAコンセンサスPCRプライマーを用いてRT-PCRを行ったところ,コントロールと比較して明らかにカドミウムの刺激によってMTmRNA発現量が増大していることがわかった。 ・培養日数にともなうMTmRNA発現量の変化 MC3T3-E1を5×10^5dish(φ90mm)で播き込み,1,3,7,14日培養後にそれぞれCdCl_2を10μM投与し24時間後に全RNAを抽出してRT-PCRを行い増幅産物を定量的に解析した。その結果,ほぼコンフルエントとなる7日目まで発現量は緩やかに上昇した。また,MC3T3-E1の培養においてその石灰化を促進させるといわれているβ-グリセロリン酸ナトリウム(β-GP)を添加して同様に培養日数ごとにCdCl_2を投与したところ,mRNAの発現量はβ-GPなしの状態よりも急激に7日目まで上昇した。このことから石灰化が盛んな細胞ほどMTmRNAの発現能が高いのではないかということが示唆された。現在MC3T3-E1細胞の石灰化についての指標を検討し,MTmRNA発現量との相関についてさらに確証を得る為の研究を進めている。
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